教養が大事って良く聞くけど、教養って何?
なんだか難しそう。
そんな方におすすめの一冊を紹介します!
書籍
今回紹介する一冊は橋爪大三郎さんの「人間にとって教養とは何か」です。
要約
教養とは、これまで人類が考えてきたことのすべて。答えのない問題に取り組むためには教養が必要。
ポイント
- 教養とは決まった目的があって身につけるものではない
- 学校の勉強は教養の土台
- 外国語を学ぶことで日本語から解放される
- 教養を身につけるには本物に触れる
- 偏らずあらゆるジャンルに触れる
それではもう少し詳しく見ていきます。
ポイント1:教養とは決まった目的があって身につけるものではない
教養はいつ役立つかわからないもの。
特効薬的に役立つ「情報」と教養は異なる。
答えのない問題に立ち向かうために教養が必要になってくる。
ポイント2:学校の勉強は教養の土台
学校の勉強には「答え」がある。
教養を身につける上で学校の勉強は土台となる。
学校で学ぶような基礎がしっかりないと教養は身につけられない。
ポイント3:外国語を学ぶことで日本語から解放される
外国語はコミュニケーションのためと思われがち。
しかし、それだけでなく外国語を学ぶことで、日本語という思考の枠組みから自由になることができる。
ポイント4:教養を身につけるには本物に触れる
古典に触れる。
古典とは、あることを最初に思いついた人が書いたもの。
それを「わかりやすく」薄めたものは、伝言ゲームのようにオリジナルの考えが歪められてしまう。
ポイント5:偏らずあらゆるジャンルに触れる
学問は便宜上わかれているが、もともとは繋がっているものと考える。
専門家は世の中のあらゆることを、あらゆる切り口から見て説明している。
教養を深めるには色々な切り口があることを知り、それを少しずつ学ぶこと。
メモ
「売れていることと正しいことは、別です。売れているもの、トレンドのもの、新しいものを追いかけても、読むべき正しい言論にはたどりつきません」
「教養を身につけるのはなぜか。それはまず、自分の喜びのため。そして、人びとと手をたずさえて、よりよい社会をつくり出すため、なのです」
「「答えのある問題」への、瞬発力を鍛えればいいことになります。これが学校の、問題点なんです」
「ときどき、投票に行かないひとがいます。自分ひとりぐらい行かなくても、どうせ結果は同じだから、って。それは、「誰がどんなふうに統治しても私は従います」と言っているのと同じです。これはたいへんおそろしい」
「何か問題が起こってからあわてて教養を身につけようとしても手遅れ。いつ役に立つのかわからないものを、いつか役立つ日のために、日頃から少しずつ蓄積していくのです」
「実用書は、教養書ではありません。実用書は、すぐ役に立つ。教養書は、いつ何の役に立つのか、まるではっきりしない。教養書は、読むために読む本なのですね」
「私に言わせると、ネットの文字情報は「ゴミ溜め」です。ゴミ溜めの特徴は、ゴミがあること。でもその隣に、すばらしい価値のあるものもあることです 」
感想
すごく面白く、かつ読みやすく、ページを進める手が止まりませんでした。
書いている方は社会学の教授です。
他にも色々な本を書かれているようなので読みたくなりました。
そして、もちろん教養書をさらに沢山読みたくなるような本でした。
教養の本というとなんだか堅苦しくて、難しそうと思いがちですが、教養の本はいつ役立つかはわからない、であるからこそ、楽しくなければいけない。
「楽しくない本は読まなくていい」と著者が言っていて、なんだか背中を押された気分になりました。
本を読む時間が楽しく、それでいて教養も身につくのであれば一石二鳥ですね!
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