こんにちは!
今回はリスニングの能力を鍛えてくれるシャドーイングの効果についてお話していきます。
シャドーイングの効果
シャドーイングで鍛えられる能力は音声を知覚する能力です。
音声を知覚することはリスニングにおける一番最初のプロセスです。
音声を知覚する能力とは、例えば日本語で「犬」と聞いた時に、「椅子」でも「行く」でもなく、しっかりと /inu/ と聞こえるという能力です。母語ではこの能力は自動化されているのであまり意識したことはないかもしれません。ただし、これが第二言語(外国語)となると話は別です。例えば英語の発音で世界的に特に悪名高い発音は/θ/、つまり”th”の発音です。この音はなかなか母語話者でないと聞き取れるようになるのが大変です。
こちらの動画を見たことはありますか?
We are sinking!(沈んでいます!)に対して、What are you thinking about?(何について考えているのですか?)と答えています。英語の”th”の発音を使った面白いBerlizのCMです。このジョークわかりますか?
話を戻しますが、音声認知は母語ですと当たり前に自動的に行っているので、訓練する必要性はほとんどありません。しかし第二言語の場合、しっかりとトレーニングする必要があります。このCMのように人の命に関わることもあるかもしれません(笑)。
そこで、その音声認知の能力を着実に向上させてくれるのが今回のテーマであるシャドーイングというトレーニング方法です。
音声を正確に知覚する能力はただなんとなく聴いたり、リスニングの問題を解いたりしているだけでは一向に身につきません。
シャドーイングを定期的に行ない,リスニングを鍛えていきましょう!
シャドーイングの具体的な方法については次の記事で紹介する予定です。
リスニング以外の効果
シャドーイングは一般的にはリスニング以外の効果も期待はされており,ちまたには「スピーキングにも効果がある」と謳っている記事をネットで見たりしますが,現段階ではスピーキングやリーディングなどにも直接効果があるという研究結果は得られていません。
シャドーイング研究の第一人者とも言える先生が日本にいるのですが,その先生の本でもシャドーイングはあくまでリスニング能力の向上に役立つもの,ということが書かれています。
ただしシャドーイングにはその認知的負荷によりワーキングメモリを鍛えたり、発音を意識して真似することでリズムやイントネーションを鍛えられるのではないかという示唆もあります。
シャドーイングに関してはまだまだわかっていない部分も多いですが、外国語を習得する上で効果的な学習方法の一つであることは間違いありません。
シャドーイングのさらなる可能性を胸に、今日もシャドーイングをしましょう!
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